今回、取材しましたのはcomobaco代表の石川佑樹さんです。
東京大学仏文科卒業後、2012年に株式会社任天堂に入社。
2013年1月に退職し、本格的に事業に取り組み活動中であります。
comobacoというモノを共有できるシェアボックスをリアルとウェブ上に作成するサービスを展開されております。
2013年3月の第5回SF Japan Nightファイナリストに選出されるなど、現在、注目を浴びているサービスです。
興味を持ったものに、次々と飛び込んでいったという石川さん。
自分の生き方、軸を強く持っておられました。
(山内 優花)
【大学生までの経験・考え】
興味を持ったものに一直線
・学生時代は何に励んでらっしゃったのですか。
―そのときそのときに、興味を持ったことに飛び込んでいました。
1年休学して、バックパッカーでアメリカやヨーロッパを回ったり、内閣府の事業でカンボジアへ行ったり、
IT企業でインターンをしてみたり…。
・起業したいという思いは持たれていましたか。
―そういった思いはなかったのですが、自分が作ったモノを、
人に使ってもらうことに関して興味を持っていました。サービスや、プロダクトに関わらず。
僕は映画や動画が好きなのですが、実際、作って見てもらったりもしていましたよ。
やりたいことがはっきりしていたわけではなくて、興味を持ったものにどんどん自ら取り組んでいました。
・就職活動はどのように行なっていたのですか。
―外資系のインターンなどもあったので、3回生の5月ごろから始めていました。
会社に接しないと分からないこともありますし、興味を持ったところに次々とアピールしていました。
外資系コンサル、金融、広告、人材など幅広く受けて夏休みを過ごしました。
また、ちょうどそのころ、ソーシャルネットワークというFacebookを題材にした映画が公開されたんですよ。
それでFacebookに興味を持って、実際に会社に訪問したりして(笑)。そこからITの会社も見るようになりました。
とにかく、オフィスに入ったり社会人の人と会うことで情報収集をしていました。
【仕事観・職業観】
誰かのために、楽しんで、一生懸命。
・就職先を決めるにあたり、何か重視されたことはありますか。
―任天堂に決めたきっかけは、任天堂という組織に関心を持ったということです。
僕は、衣食住が満たされたうえでどう生きるか?どう幸せになるか?というところに
一番興味を持っているのですが、そのなかで最もエンターテイメントの部分でアプローチしたいと考えています。
そこで、任天堂は面白いコンテンツを生み出している会社ですし、
コンテンツは日本だけでなく、国境を越えて愛される。
その価値あるものはどういう組織から生み出されているものなのだろう?と。
・“働く”ということに関して、どのような方針をお持ちですか。
―誰かのために、自分が楽しんで、一生懸命やる。
この3つを最も大事にしていますし、どのようなときでも持っています。
大学4回生のときにやっていたインターンで培った部分は大きいですね。
業務内のことだけでなく、業務外のことも一生懸命やることで、会社に貢献することになるんだなあ、
ということを感じたと同時に社会にも価値あるものを提供したいと考えるようになりました。
・現在行われている事業、comobacoを始められたきっかけを教えてください。
―僕の、欲しいなと思ったモノを形にしました。
エンジニアのオープンソースの発想です。
ネットの基礎というのは全てボランティアで作られてきたようなものなので、
こういった裏で行なわれていることを、表に活きる取り組みの1つにしたいと思ったんです。
事業内容としては、ユーザーの人がWishリストというのをあげて、
その中でかぶっているものは一緒に購入するなど、共有という考えを形にしたものです。
マネタイズの面は少し難しい面があるので、ある程度の規模になるまで別の事業などで回していくつもりです。
・影響を受けた書籍、経営者の方はおられますか。
―カヤックの柳沢さんと、ドワンゴの川上さんです。
特に、学生時代、僕はカヤックでインターンさせていただいていたので、思い入れはありますね。
起業した後もフォローアップしていただいています。
【人材観】
旅人募集中!?
・組織を拡大するうえで、採用の際に求める人物像とはどのようなものですか。
―柔軟で、ある意味しぶとい人と一緒にやりたいですね。
旅人のような、バックパッカーのような人、なんというか野武士みたいな人でいいんです(笑)。
自分で考えて動くことができる人がいいですね。
【将来】
場所ベースから個人ベースに
・今後の事業について、成長イメージや戦略を教えてください。
―comobacoを年内にリニューアルし、ユーザーの反応を見て動いていこうと考えています。
今は場所ベースで登録してもらっているのですが、次は個人ベースに切り替えます。
同じ場所で登録している人それぞれの欲しいものリストが見ることができるようにすれば、
もっと便利になると思っています。
・このブログを見ている学生、ビジネスパーソンに一言お願いします。
―楽しんで自分のやりたいことを一生懸命やってください。
これを真剣に実践することで、どんなことにおいても成功につながると僕は信じています。
【WestBoosterに参加して】
Comobacoは招待制のサービスなのですが、
ユーザーとして使ってみたいという声をたくさんいただいたので嬉しかったですね。
あとは、こういった場所にシェアボックスを開設したらいいのでは?というアドバイスもいただきました。
マンションやアパートを使用するという案は面白いと思いましたね。
あまり近所付き合いがないし、このサービスを導入すればコミュニティ感が出ますし。ぜひ検討したいです。