株式会社Cerevo 代表取締役 岩佐琢磨氏

2013年10月11日

今回取材いたしましたのは、株式会社Cerevo 代表取締役 岩佐琢磨さんです。

 

生活を豊かで便利にするようなネット家電を設計・販売されています。

大手家電メーカーで働いたのち、今の会社を設立されました。

 

インターネットで家電に革新をもたらしたいという、岩佐さんの思いとは。

(柏原陽太)

 

【起業までの経験・考え】

大企業論理にとらわれない

 

・自ら会社を設立されたいと思ったきっかけは何ですか。

―モノづくりの世界では、大手のメーカーだけがモノをつくっていました。

その中では、なかなか新しいモノやおもしろいモノが出てきませんでした。

起業する前、大手の家電メーカーで働いていた私は、それではおもしろくない、

人類にとって不幸だと考えました。

そこで、大企業論理にとらわれず、イノベーティブなハードウェアをつくって

人々の生活をより豊かで便利にしたいと思い、株式会社Cerevoを設立しました。

 

・ネット家電に興味を持たれたきっかけは何ですか。

―私はもともとインターネットが好きだったので、インターネットと何かを

掛け合わせたモノをつくりたいと思っていました。

しかし、私が大学生だった2000年代はじめには、インターネットとパソコンという掛け合わせは

既に当たり前になってしまっていました。

そこで、まだインターネットとの掛け合わせが行われておらず、

かつこれからネットとの連携が確実に重要になる業界ということで、家電との掛け合わせを行うことにしました。

 

・大手家電メーカーに一度就職されていますが、

そこで働くなかで、起業したいという思いを強められたきっかけはありますか。

―当時、一緒に仕事をしていた方にある機能を提案した時、「それは敗者の戦略だよ」と言われたことがありました。

その機能は、少しマニア向けの機能だったのですが、私はその機能が将来メジャーになると考えていたので、

自社もその機能を市場に出すべきだと提案したのです。

すると、彼は、「その機能の時代が来てから、競合が対応してから対応すればよい」と言いました。

彼の意見は大手のメーカーとしては合理的な判断なのですが、私のやりたいこととはちょっとずれていたのです。

私は、まだそのモノを使う人はほとんどいなくても、まず、それに興味を持ってくれた人に対して提案してみて、

そこから時間をかけてメジャーにしたいと思っていました。

大企業にいては、自分のしたいことはできないと思い、起業しようと思いました。

 

【仕事観・職業観】

世界で、大手で、学んだこと

 

・仕事に対して考え方が変わった瞬間・きっかけはありましたか。

―劇的に変わったということはなく、常に継続的に変化しているという感じがします。

その中でも、海外で商品を売り始めたことが一つのターニングポイントでしたね。

マニアックな商品は、宣伝しなくても好きな人は買ってくれるので、あえてプロモーションせずに、

できるだけ多くの国に販売をかけるという手法をとっています。

 

・現在から振り返って、仕事への取り組み方でよかったと思うことはありますか。

―大手のメーカーで経験したことが、総合的に役立っていると思います。

大手で仕事をすると、売り上げや利用客数などで世界一のモノがどのように作られ、

売られ、消えるのかが見えます。

そこから学んだことをベースにして、自分のビジネスに合うようにカスタマイズしていくことができました。

 

【人材観】

幅広く仕事ができるようにする

 

・現在、自社の社員の皆さんに大切にしてほしいと伝えておられる価値観、考え方などはありますか。

―ユニークなモノをつくろうとしているという一点です。

会社のコンセプトでもある、ネットワークと組み合わせて生活を便利で豊かにしていくという

基本路線はずらさないようにしています。

 

・採用の際、大切にされていることはどのようなことですか。

―自社のカラーに合うかどうかということが一番大きいですね。

スキルは優秀でも、仕事の進め方やハードウェアに対する考え方が合わない人はうまく合わないですね。

スキルももちろん大事ですが、それに加えてカラーに合うかどうかも重視しています。

 

・社員の皆さんの成長に向けて、何かされている施策などはありますか。

―成長には2種類あると思います。

より深いことができるようになるということと、より幅広いことができるようになるということです。

最強のプレイヤーは、これらの2つを両方できる人なのですが、それに近づいてもらうために私の会社では、

より幅広いことができるようになってもらえるようにしています。

たとえば、iPhoneのアプリの開発に携わるメンバーには、次にAndroidのアプリの開発をしてもらったり、

製品の説明書のデザインをやっているメンバーには、次に製品の外箱のデザインや、

展示会の配置のデザインなどをしてもらっています。

私の会社は、少ないメンバーで大企業と同じように製品をつくって売ろうとしているので、

業務の幅がとても広いんです。

それで、横方向にいろいろなことをやってもらい、できることを広めることにしていますね。

 

【将来】

すべてのモノがネットワーク化する

 

・今後の事業について、成長イメージや戦略など教えて下さい。

―現在、20か国程度の国で製品を売っていますが、その国の数を拡大してきたいです。

将来的には、現実的にモノを流通させられる全ての国で自社の製品を販売できるようにしたいですね。

また、多くの人々に「生活が変わった」と言ってもらえるような製品を出していきたいですね。

 

・ネット家電は、今後どのように普及していくとお考えですか。

―今は、全てのネットワーク接続されていないモノが、徐々にネットワークに取り入れられている時代です。

どんなモノもインターネットに接続されていくと思います。

自動車、バイク、自転車は特にそのスピードが遅いので、これからどんどん普及していくと思います。

モノがインターネットに接続されることで、様々なことができるようになります。

例えばベトナムを走る大量のバイクがすべてインターネットに接続されれば、

渋滞が起きないよう交通の流れをコンピューター制御することができます。

これ以外にも、ネットワーク化されることによって便利になることは山のようにたくさんあります。

 

・学生や20代のビジネスパーソンに向けて、一言お願いします。

―日本は同調圧力が強い国です。例えば、「みんなが赤い服を着ているから自分も赤い服を着よう」というように。

しかし、日本を含め、世界中でこの圧力は崩れかかっています。これを意識してほしいですね。

これからの世界は、少品種大量生産から、多品種少量生産へのシフトが加速しています。

その中でどのように仕事を見つけ、どのようなポジションをとっていくかが重要です。

 

・WestBoosterに参加して、懇親会で何を多く質問されましたか。

―参加者の方の中に、これからスタートアップを始めたいという方がおられました。

そのような方に、これからスタートアップとしてビジネスを始めるには何が必要かを質問されました。