今回取材いたしましたのは、ソフトバンクグループ通信3社 人事本部 人材開発部 日下部奈々さんです。
日下部さんは、ソフトバンクグループ人材育成機関「ソフトバンクユニバーシティ」立ち上げに参画されました。
その後、出産・育児休職を経て、現在グループ全体の次世代後継者・経営人材輩出の仕組みづくりを
担っておられます。
成長企業で働く魅力や、今後目指していく会社像など、詳しくお話いただきました。
(聞き手:嶋内秀之 書き手:柏原陽太)
【大学生までの経験・考え 】
通信への憧れ
・学生時代、どのようなことをして過ごされていましたか。
―大学ではネパールの研究をしていました。実際に現地に行ったこともありました。
・就職先を選ぶにあたり、何を考慮されましたか。
―家族の影響もあり、自然と通信に憧れを抱いていました。
通信というのは暮らしを彩る、魅力的なもの。
ネパールでの滞在で、通信の重要性や価値を再確認する出来事もあり、
通信・IT関係の企業に就職したいと考えていました。
中でもソフトバンクを選んだのは、経営理念とビジョンに感銘を受けたからです。
当時は現在の10分の1くらいの従業員規模で、仕事は山のようにありましたが、
インターネットが作る未来をありありと描く社長のビジョンに集まった人たちで活気があふれていました。
深夜、電車もないような時間に帰る社員のために、タクシーがビルの下に大行列をなして待っていましたね。
【仕事観・職業観】
可能性は無限
・入社後、採用業務に従事されていたということですが、その業務において苦労されたことはありましたか。
―そもそもアシスタント職希望で入社したのにも関わらず、入社後すぐ採用担当として配属。
当時は新卒で人事に配属されることがあまりなく、アシスタントとは名ばかり、
セミナーやら面接やらフロント業務もなんでもありの環境に、目が回るようでした。
・その苦労を乗り越えるにあたり、周囲の方からどのような励ましや支えを受けられましたか。
―「次のあれお願い」の一言で仕事を任せてくれる上司も今思えば有り難かったですし、
企画ひとつにしても、何度もダメだししてくれたり、深夜までプレゼン練習につきあってくれたり、
フォローしてくださる先輩方の存在はとても大きかったです。
まずは仕事をやらせてみる、努力する人を認めてくれる、失敗してもリベンジOKな文化がこの会社にはあります。
私の仕事感のベースにもなっていると思います。
・仕事に対する考え方や方針が変わった瞬間やきっかけはありますか。
―現在の仕事では、社外の経営者の方とお話しする機会が多く、たくさんの刺激をいただきます。
企業経営や組織作りについて日々意思決定をされている方とお話すると、自分の視点の低さを思い知らされます。
若いうちから、同じような環境の友人だけでなく、異なった立場や視点の方との接点を意識的に作っていくと、
将来には大きな蓄積になるはずです。
・結婚・出産を経て、仕事に対する考え方は変化されましたか。
―考え方やスタンス、という意味では、特に変化しませんでした。
というより、変えないように心掛けているという面もあります。
子供がいることで自分に制限をかけたくないという思いもあり、
普段あまり子供の話はしないようにしています(笑)
・成長企業やベンチャーで働く魅力を教えていただけますか。
―成長企業は、等身大よりずっとたくさんのことをやろうとしています。
そのために、あたりまえですが一人一人の業務範囲も不明確で、等身大以上のことが求められます。
逆にいうと、仕事を自分から取りに行く姿勢をもっていけば、無限に可能性があり、成長できる環境です。
ボールはたくさん落ちています。それをいかに意識的に拾っていくかが大切です。
【人材観】
世界一の会社
・人材開発において先進的な取り組みをされていますが、それにおいて重視されていることを教えていただけますか。
―ソフトバンクは、創業30周年にあたる2011年に「新30年ビジョン」を作成しました。
そこでは「世界一の会社になる」という目標を掲げています。
人材開発においても、30年後に世界一の会社になるために必要な人材とは?
という逆算視点を大切にしています。
また、他社と同じことをやっても世界一にはなれないので、
むしろ歴史上の偉人の成功例や失敗例を研究し、
人材育成につなげるというアプローチも行っています。
「世界一」という壮大な目標に、無理だろうと思わないのがソフトバンクの良いところ。
企業規模こそ大きくなってきましたが、中身はベンチャー、
これまで以上のスピードで成長し続ける企業でいるために、チャレンジングな文化・環境づくりをしていきたいですね。
・学生や20代のビジネスパーソンに向けて、一言お願いします。
―社内外含め、成功されている方たちの共通項は、
自分がいいと思うことを心から信じ、動き、努力し続けることであると思っています。
また、3Dプリンタやクラウドファンディングなど、
個人がチャレンジできるビジネス環境がどんどん整い、広がっています。
ネガティブなことを言う人がいても、多少かっこわるくても、
やりたいことにまっすぐにチャレンジしていっていただきたいですし、
自分もそうでありたいと思っています。