株式会社XS 代表取締役 柴田敬介氏

2014年07月31日

今回取材いたしましたのは、株式会社 XS 代表取締役 柴田敬介さんです。
全国1030の道の駅グルメ情報・クチコミを見ることが出来る、
情報量日本最大のサービス「みちグル」を運営されています。
元証券マンの起業後の事業に対する真っすぐな熱い思いとは。

(荒木優子)

 

【大学生までの経験・考え】
 
建築、経済の勉強。そして証券マンへ。
 
・自ら会社を設立したいと思ったきっかけ(原体験・formative experience)
―もともと起業したい、自分で何かやってみたいという思いが強かったんですが、具体的に何をしたいか分からなかったんです。
 お金もなくてコネもなくて、既に起業されている人や、いろんな社長さんに会って対等に話せそうという浅い考えで証券会社に入社しました。
 
・起業に向けて学生時代に、どのような取り組み準備などされましたか?
―学生の頃から、デザインや設計など自分で何かを作る事が好きでした。
また、人の衣食住に関わりたいという思いも持っていました。
そのような興味を活かせる学問を探した結果、大学では建築学部に進みました。
やっていることの規模が大きくて楽しそうだったということもありましたね。
設計以外でもデザイン部門で学べる事が多く、仕事上でデザインをするときに今も役に立っていますね。
経済学部の院に行こうと考えていた頃は経済について結構勉強しました。
どういう仕組みで国全体が回っているかなどマクロなところを勉強しましたね。
 
・就職先を選択するにあたり、起業を考慮されましたか?
―普通の営業だと購買や製造など、担当の人と話す事が多いと思うんですよ。
実際そういう人と話をしていても経営の全体は見えないと思うんです。
しかし基本的に証券会社が相手にするお客様はオーナー経営者が多く、
全体を見渡してビジネスをしている人たちによく会うことで今後起業した時に役に立つと思い、証券会社に入社することを決めました。
実際に凄く役に立ちましたよ。
 
・学生起業ではなく、一度就職してから起業するメリットは?
―今失敗したらリスクが大きいんで生きていけなくなるじゃないですか。
もし僕が学生からやり直すとしたら学生の間に起業すると思います。
学生の間に起業して失敗しても失うものはないし、経験にもなり、プレミアがついたりするので良いと思います。
たくさんメリットがあると思いますね。
 

【仕事観・職業観】
 
考えている間にも小さな行動を起こし結果を出す、行動ベース。
 
・どのような考えや方針で入社から起業するまで仕事をされていましたか?
—証券会社の営業では、行動して結果を出して、失敗をしたら修正するという行動ベースで働いていました。
アイデアや理想だけで並べても、やってみないと結果は伴わないですしね。
 
・起業を決めるまでに仕事に対しての考え方が変わる瞬間・きっかけなどがありましたか?
―5年間働いたら起業すると決めていました。
親が起業などを受け入れにくい、真面目な一般的なサラリーマンで、
急に起業したらびっくりするだろうから入社して5年経ったら起業すると伝えていました。
それとここで決断しないと、このままずるずる起業しないだろうなと思い起業しました。

・起業するまでの間、そのような仕事への取り組み方をしておけばよかった、と思われる事はありますか?
また取り組み方でよかったと思う事はありますか?
―全力でやってきたと思っているので後悔はありません。
たくさんの起業家に会って、みんながみんなスーパーマンではないと気づいて、
案外普通の人が頑張ってやっているとだんだん分かってきました。
 
・影響を受けた書籍はありますか?
―柳井正さんの「一勝九敗」(新潮文庫 2003年)です。
まさに行動ベースで、考えている間にも小さい行動を起こし結果を出す、というところが僕の中で気に入っています。
 
・どのようなスタイルでお仕事をされていますか?大切にしている思いなどがあれば教えてください。
―人がすごく大事だと思います。
パートナー(専務取締役)の坂本はがむしゃらで、行動が凄いんです。
インターン生も一生懸命やってくれています。
今まで雇われていたときは後輩がいてもただ単に並列の中の下で、自分がトップに立って雇う立場になると家族みたいに思うんです。
なんとかこの人を良くしてあげたいと思いますし、向こうもそれを感じてくれているのか、僕に返してくれています。
ファミリーを大事にしていきたいという思いが芽生えてきました。
 

【人材観】
 
正直でいること。
 
・現在、パートナーさんに大切にしてほしいと伝えていらっしゃる値観・考え方などありましたらお伺いできますか?
―「嘘をつかないこと」ですかね。
価値観という事ではありませんが。
器用に話す人は多いじゃないですか。でも正直や誠実じゃなかったら、
最初すごいと思っても、そういうところに欠けていたらそんな感じなのか…と落胆してしまう事もあるじゃないですか。
正直でいる事をパートナーや仲間には大切にしてほしいです。
 
・独自の人事制度などあれば教えて下さい。
―事業を黒字化して、できる限り早く社員数も増やしたいです。
今は国からのインターン生が2人来てくれています。
インターン生も自分の行動が会社の利益に繋がるように頑張ってくれていますし、僕たちもそれに応えられるように頑張っています。
 
・みちグルを運営する上での難しさは?
―道の駅って半官半民で元々は市町村が作ろうとしたものを民間に委託したり、
第3セクターで運営したりするんですが、そうすると意思決定までの時間がすごくかかってしまいます。
やろうかなとなってから、やるぞとなるまでの期間がかかってしまうので営業が大変です。
しかし後から参入してくる人らは面倒臭くてやらないだろうし、
僕たちが根を詰めてやっていくことで、先行者メリットもあると思います。

【将来】

さらに成長中

・今後の事業について、成長イメージや戦略など教えて下さい。
―僕たちがやっているのはEC事業で、そこはじわじわ伸びてくるものなんです。
しかし道の駅の顧客網は獲得できているので、そこを軸にしてBtoBでプロモーションをしたいという案件が来ています。
例えば道の駅の駐車場で自動車メーカーの試乗会をしたいだとか、携帯電話のキャリアの販売ブースをつくりたいだとか。
現地の人や観光客がたくさん集まる場所ってあまりなくて意外な使い道がたくさんあるんです。
ECをやりながらBtoBでプロモーションしていくという二本立てで強化していこうと思っています。
 
・みちグル市場の今後の展望を教えてください。
―とにかく出店していただく道の駅さんを増やすということですね。
今の契約は40ぐらいですが、契約書をもらって出品作業をするのに時間がかかったりするので、
そこをカバーしながら店舗を増やしていこうと考えています。
クラウドファウンディングも絡めながら顧客の認知という「To C」の部分を強化したいと考えています。
 
・学生や20代のビジネスパーソンに向けて、一言お願いします。
―そんなに偉そうな事は言えませんが(笑)
アイデアを出すときに自分だけで考えているとどうしても視野が狭くなりますよね。
起業して何がしたいのか、どういう方法があるのかいろんな人に話して、意見をもらうのが良いと思います。
人に話し、批判される事を恐れず、いろんな人に話してみて自分の感覚っていうのがどんなものなのか
フィードバックを自動的に得られると思うので、そういうことを繰り返したらいいと思います。
でも明らかに「自分の意見が合っている!」「みんな間違っている!」と思う事は突き進んだ方がいいと思います。
そのへんのことを天秤にかけて、自分はどうするかということを磨いていったらいいと思います。