今回取材したのは、株式会社プライメッジ 代表取締役 本部剛さんです。
現在、レストラン予約サイト『レストル』を運営されています。
大学卒業後、フランスに渡りデザインを3年間勉強。その後、スポーツウェアのデザイナーや環境系企業の職を経験されたのち、現在の会社を起業されました。
起業に至るまでのユニークな経歴や、若い世代で起業することの大切さを語っていただきました。
(柏原陽太)
【学生時代の経験・考え】
西洋文学から、デザインの世界、そして独立へ。
・神戸大学文学部卒業ということですが、学生時代に励んでおられたことはありますか。
―大学時代にはオーケストラに入っていたので、ずっと楽器の練習をしていました。
勉強をあまりしていなかったので、今になってもっとやればよかったなと思いますね。
ただ、社会に何か変化を起こしたい、起業したいという想いは持っていました。
・大学卒業後、デザインの勉強をされようと思ったきっかけは何ですか。
―90年代後半、大学生のころに、社会に変化を起こすには自分に何ができるかをずっと考えていました。
すると、世の中ではファッションデザインが流行していることに気が付いたんです。
この世界なら世界で一発変化を起こせるかなと思い、フランスでデザインの勉強をすることにしました。
・現在の会社を起こそうと思われたのは何歳ごろですか。
―現在の職にいたる前、デザイナーとしてかなり恵まれたポジションまで昇っていました。
ですが、デザインはITの世界に比べると大きな変化が少ないのです。
昔から社会に変化を起こすことを考えていた私の性格には、それが合いませんでした。
その後しばらく環境系の会社で働いていたのですが、
33歳くらいの時、これ以上転職を繰り返すと独立のチャンスを逃してしまうと考え、
株式会社プライメッジを起業しました。
【仕事観・職業観】
頭の使い方が変わった
・今の事業を興されたきっかけは何ですか。
―私は、常に「どうやったら人は喜んでくれるのか」を考えて、いろいろなアイデアを練っています。
「レストル」は、そうやって思いついたアイデアの一つなんです。
子供のころ、ゲームのシステムを組んで友達を驚かせたりしていたこともあり、
システム開発に興味があったので、今の事業をしようと思いました。
・デザインと現在のビジネスとのつながりはありますか。
―大学で学んだロジカルな考え方と、デザインで学んだ創造的な頭の使い方の両方が出来るようになったところで、
今のビジネスの強みになっていると思います。
ユーザーの気持ちや考えていることを想像しやすくなったり、新しいアイデアが浮かびやすくなりましたね。
・「何歳の時にこういう経験をしておけばよかった」というようなことはありますか。
―自分がやってきたことに後悔はないですが、学生のころからしたかった独立を、30代になるまでできなかったことは残念ですね。
・影響を受けた本や映画などはありますか。
―IT系のビジネスをやっているという点で、『攻殻機動隊』(原作:士郎正宗)には影響を受けています。
未来を予見しているという点で、SF系の作品はアイデアの宝庫です。
あとは、『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド 著 草思社文庫 2012年)ですね。
文化人類学の本ですが、とても面白い本なので皆さんもぜひ読んでみてください。
【将来】
事業は一本集中
・事業を今後どのように発展させていかれますか。
―今は『レストル』一本に集中しようと思っています。
そうしないと、それに関わる人たちがついて来れないので。
このサービスを、今後少しずつ、かつ速やかに広めていきたいと考えています。
・WestBoosterに参加して、懇親会でどのような質問や意見をされましたか。
―「アイデアは執念」と、ある参加者の方に言わ れました。
アイデアというものはめちゃくちゃ考えて、試して、普通の人では思いつかないところまで深く追及したところにスイートスポットが見えてきます。
今の『レストル』も、もっと深く追及してよりよいものにしていくつもりです。
・このブログを見ている、学生や20代のビジネスパーソンに向けて一言お願いします。
―起業したい人は今すぐしてください。
日本にはイノベーションが必要です。
それは起業からしか生まれないと思っているので、ぜひどんどん起業してください。
特に、学生の皆さんは企業に最適です。会社を辞めなくても起業できるので。
学生こそ起業をどんどんするべきだと思いますね。
サラリーマン時代に頑張ったことや時間はすべて会社のもので、自分のものは一つもありません。
しかし、起業すればそれがすべて自分のものになるんです。
できるだけ早くに起業して、そこから自分のためにずっと蓄積していったほうがいいですね。